「警察に被害届を出させてもらえなかった」――星野ロミ氏が語った、元交際相手の死と警察対応への疑問

ガジェットやプログラミングの話題を発信してきた星野ロミ氏が、久しぶりに投稿した動画は、いつもとはまったく違う重い内容でした。冒頭で、見たくない人はここで閉じてほしいと断ったうえで、同氏は動画を作った理由を明かします。元交際相手の女性が殺人事件の被害者になり、亡くなったというのです。

捜査は続いていて、裁判も控えています。同氏は「捜査を妨げるつもりはない」と繰り返し、話せない部分があるとも断っていました。この記事も、動画で同氏が語った内容を、本人の見解としてまとめたものです。容疑者や被害者の名前は載せません。

別れた後も続いていた友人としての関係

同氏によると、2人が付き合っていたのは昨年の10月ごろ、今から1年ほど前までです。お酒好きだった彼女は、酔って店の物を壊してしまったことがあり、同氏はしばらく飲酒を控えるよう頼みました。ところが、彼女はそれから隠れて飲むようになります。やがて家の近くのバーに毎日通うようになり、そのバーのオーナーと付き合いたいと別れを切り出しました。

同氏は引き止めず、別れを受け入れました。その後も友人としての付き合いは続き、LINEで月に1〜2回やり取りしていたそうです。

「鼻の骨を折られた」というLINE

状況が変わったのは今年の7月20日です。彼女から、同居相手の暴力で鼻の骨を折られたという連絡が届きました。動画で同氏が示した被害の様子は、目の周りに大きなあざができ、鼻の骨まで折れているというひどいものだったといいます。

同氏が特に問題にしているのは、このあとの警察の対応です。彼女のLINEによれば、練馬警察署に相談したものの、被害届を出さないよう言いくるめられたといいます。彼女が警察から聞いたと伝えてきた説明は、次のようなものでした。

  • 相手が処罰されて罰金を科されても、相手は金銭的に苦しいといった話をされた
  • 現行犯でなければ逮捕できないと言われた
  • 同居しているので、彼女が嘘をついている可能性もあると言われた

さらに彼女は、相手の処罰を望まないという書面に署名させられたとも伝えてきたそうです。そのメッセージは今も同氏のスマートフォンに残っています。

その後も彼女は「殺されるかもしれない」と怖がるメッセージを送ってきました。同氏は警察に一緒に行くと申し出て、そんな対応を許すわけにはいかないと伝えます。しかし彼女はだんだんあきらめていき、結局、被害届は出せなかったようです。2人の間でもその話は出なくなり、最後にやり取りしたのは9月24日でした。

連絡が途絶えてから、逮捕まで

9月29日、彼女の両親から「娘と連絡が取れない」と同氏に連絡が入りました。同氏は事情を説明して警察に安否確認を頼みましたが、返ってきたのは「両親から連絡があれば対応する」という答えでした。そこで両親に警察へ電話するよう伝え、それをきっかけに事件が明らかになったといいます。

同氏は容疑者と面識がありません。ただ、知人が容疑者に連絡を取ったところ、容疑者は「28日の朝にバーの仕事を終えて帰ったら、彼女はもういなかった」「それ以降のことは知らない」と答えたそうです。それでいて急に鍵を替えるなど、ただ連絡がつかなくなった人とは思えない振る舞いがあり、同氏は逮捕の前から容疑者を怪しんでいたと話します。

同氏は深夜、容疑者の住まいを確かめに行きました。部屋には明かりがつき、入り口の前には警察官が2人立っていて、中に入ることはできませんでした。何度か言葉を交わすうちに、警察官の1人が「建物に出入りする人を全員確認し、話を聞いている」と漏らします。同氏はこの一言で重大な事件だと悟り、その場を離れました。それから2〜3日後、容疑者が逮捕されました。

LINEは証拠になるのに、警察の対応は報じられない

同氏は、練馬警察署が彼女の相談をきちんと受け止めていれば、こんな結果にはならなかったのではないかと考えています。暴力は相談の後にエスカレートしたというのが、同氏の受け止めです。あれほどの暴力を受けながら、逮捕も接近禁止命令もなく、十分に保護されていなかったように見える。同氏はその点を視聴者に問いかけていました。

同氏がもう一つ納得できないのが、報道のされ方です。同氏によると、被害届を思いとどまらされたという話はほとんど報じられていません。理由を尋ねると、決定的な証拠がないからだと説明されたそうです。一方で警察は報道機関に対し、DV事案にも適切に対応したとコメントしており、世間に伝わっているのはその言い分だけだと同氏は指摘します。

事件の後、同氏は何度か警察で事情を聴かれ、彼女から相談を受けていたLINEを見せています。相談の内容は供述調書に盛り込まれ、検察に送られており、裁判でも使われる見込みだといいます。

彼女が相談していたLINEは証拠になるのに、「警察に言いくるめられた」という同じLINEの中の訴えは扱われない。同氏はこれを二重基準だと感じています。

処罰を望まないという書面も記録として残っているはずだと同氏は言います。被害届が本当に彼女の意思で取り下げられたのか、それとも誤った説明のせいだったのか。その点も証拠として検討されるべきだというのが、同氏の考えです。

4年前にも、同じ地域で

同氏は、トラウマになっていてこれまで一度も公に話さなかった出来事も打ち明けました。およそ4年前、当時練馬に住んでいた別の元交際相手が、自ら命を絶っていたのです。

彼女から死をほのめかすLINEが届き、引き止めるメッセージを送った後、返事が途絶えました。同氏は練馬警察署に電話して安否確認を頼みましたが、ストーカー扱いされ、何も教えられないと言われたそうです。自分で住まいを探し当てたものの、オートロックで中に入れません。管理会社にも連絡しましたが、事態を分かってもらえた手応えはありませんでした。

約3週間たっても連絡がなく、同氏は救急に通報しました。部屋番号に自信がなかったため、まず確認してほしいと頼んだそうです。しかし、こじ開けられたのは別の部屋でした。住人が怒り、救急側はこれを虚偽の通報として警察に伝え、同氏は警察から目をつけられることになります。

ちょうどその頃、彼女の親族からSNSで「連絡が取れないが、何か知らないか」とメッセージが届きました。それがきっかけで管理会社が部屋を開け、警察も駆けつけます。同氏もその場に立ち会い、彼女が亡くなっていたことを知りました。1か月ほどがたっていたそうです。

同氏はその場で刑事から容疑者のように扱われました。検死で自殺と判断され、疑いは晴れています。彼女の命が助かったとは思わない。それでも、当局の対応が違っていれば、ここまでになる前に見つけてあげられたのではないか。同氏は今も強い憤りを抱えていると語っていました。

「まだ終わっていない」

同氏は、メディアがこの件を報じないことに失望しており、この先も変わるとは思えないとこぼしました。この件にかかりきりで、動画を撮る余裕もなかったそうです。

YouTubeは仕事であり、ガジェットやプログラミングに関わる趣味でもあるので続けていきたい、と同氏は言います。ただ、しばらくは投稿のペースが落ちる見込みです。うかつに情報を出すと容疑者に有利に働くおそれがあるため、今後は動画でもSNSでもこの件には触れないつもりだと述べました。

裁判に呼ばれる可能性もあり、同氏にとって事件はまだ終わっていません。この不安はしばらく続きそうで、本当に疲れた、とも漏らしていました。それでも動画の最後には、次はいつもの自分に戻って会いたいと語りかけていました。

参考動画