プロ3戦目でメインを任され、しかもOPBF(東洋太平洋)のタイトルマッチを戦う。大橋ジムの片岡雷斗選手に用意されたのは、異例中の異例といえる舞台です。ボクシング解説チャンネルのツネさんが、この一戦の見どころと課題、勝敗予想を語っていました。
異例のスピード出世が意味するもの
プロ3戦目の地域タイトル挑戦は、陣営の期待がよほど高くなければ組めないカードだとツネさんは見ています。そのうえで、大橋会長は4戦目か5戦目で世界タイトルマッチをやらせ、日本最速記録を狙わせるつもりではないか、と推測していました。ツネさん自身も「勝手に思っている」と前置きしたうえでの読みです。
相手はIBF7位、とにかく前に出てくるタフなファイター
対戦相手のアルアル・アンダレス選手はIBF7位にランクされています。もともとはミニマム級の選手で、世界タイトルマッチの経験もあります。ツネさんは「実績と能力をしっかり持った相手」と評価していました。
試合映像から見えるのは、とにかくタフで、下げられても前に出続けるスタイルだそうです。特徴は次のようにまとめられていました。
- パンチを大きく振り回すタイプではない
- 相手が打っていないときは、手を出しながら距離を詰めてロープ際へ押し込む
- 打たれている間はブロッキングに専念し、打ち返しはあまりない
- 相手が打ってからその場を離れると反応が遅れ、追いかける展開になりやすい
倒されるような怖さは少ないものの、戦っていて「とにかく疲れる相手」というのがツネさんの見立てです。
片岡選手に求められる3つの課題
ツネさんがこの試合の課題として挙げたのは、スタミナ、メンタル、さばき方の3つでした。
手を出して止め、そこから動く
アンダレス選手は打たれている間は反撃してこないので、まずパンチで相手を止め、それから位置を変える。この動きを徹底するのが大事だといいます。足を使い続けながら手数も出す必要があり、ツネさんは「600発くらい出さないとさばききれないのでは」と見ていました。
左右の切り返しで「ついてこられない瞬間」をつくる
右へ、左へと切り返す動きは片岡選手の得意分野だとツネさんは見ています。これを多めに入れて、相手が追いつけない瞬間をつくれば、試合はどんどんさばきやすくなるはずです。ただ、切り返しはスタミナを大きく使ううえ、相手のパンチをもらうリスクもあります。どれだけの頻度で続けられるかがポイントになりそうです。
足を止めた打ち合いは相手の土俵
足を止めてインファイトに付き合うこともできなくはありません。ただ、それは相手が得意とする戦い方なので、ペースを握られる時間が長くなりやすいとツネさんは見ています。避けたい展開だそうです。
もうひとつの鍵は「リングIQ」
どう動けば逃げ道が残り、どう動けば行き場がなくなるのか。リングの使い方をわかったうえで動かないと捕まりやすくなる、とツネさんは指摘していました。
これまでで一番の「テストマッチ」
純粋な技術では片岡選手が上だろう、というのがツネさんの評価です。それでも、ラフなインファイトで押し合い、離れてもすぐ追いかけてくる相手に潰されずに戦えるかは試されます。インファイターなのでバッティングが起き、試合がそこで終わる可能性もあると見ていました。
10ラウンドを判定まで戦い抜ければ、世界戦の12ラウンドを戦えるスタミナがついたと言えるだろう、とツネさんは話していました。これまでの対戦相手のなかで、最もテストマッチらしい試合になりそうだといいます。
「この橋を渡れるのか」と問う大橋ジムのマッチメイク
ツネさんは、片岡選手とあわせて同じくタイトルマッチが決まった藤木選手にも触れ、大橋ジムのマッチメイクの姿勢を高く評価していました。石橋を叩いて渡るのではなく、「壊れたらそれまで」「お前はこの橋を渡れるのか」と問うような、容赦のない相手選びだというのです。
確実に勝てる試合ばかりでは見ていて面白くない。どちらが勝つかわからないカードこそ面白い、というのがツネさんの考えです。安全な相手ばかりと戦わせて途中でつまずく、という例が大橋ジムには少ないとも語っていました。復帰戦などで甘めのカードになることはあっても、それは仕方のない部分で、普段は厳しいマッチメイクを貫いているという評価です。
予想は僅差の判定、96-94
ツネさんの予想は判定決着で、スコアは96-94前後の僅差です。普通に考えれば97-93くらいの差がつく試合だろうとしつつ、片岡選手のスタミナはまだ見えていない部分が大きいとしています。後半に削られる展開もありうるとみて、あえて差を詰めた予想にしたそうです。勝つにしても「ギリギリ」になるのではないか、という見立てでした。
プロ3戦目でここまでの相手を乗り越えれば、日本最速の世界挑戦も現実味を帯びてきます。片岡選手が10ラウンドをどうさばくのか、注目の一戦です。
参考動画
- 片岡雷斗 プロ3戦目でOPBFタイトルマッチ?!これは大橋ジムは本気で日本史上初の記録を狙ってると思う。(ボクシングアカデミーの放課後)