朝倉未来が七輪で天心をもてなす。牡蠣と伊勢海老を焼きながら、2度目の敗戦から誹謗中傷まで語り合う

秋の豊洲で、久々の七輪

朝倉未来のチャンネルで、天心と七輪を囲む企画が公開された。場所はおなじみの豊洲。以前この2人がカレーを作ってからは初めての顔合わせだという。10月後半で肌寒いなか、天心はTシャツ姿で登場した。「サーフィンをやっていると、海は季節より2か月遅れているから」と謎の理屈を語り、朝倉に呆れられる場面から始まる。

タイトルは「天心を七輪で元気付けよう」。ボクシングで同じ相手に2度敗れた天心を励ます回なのだが、朝倉は「何かあったっけ?」ととぼけ続ける。それでも会話には何度も「ポイント」という言葉が出てきて、天心が「ポイントって何なんすか」とツッコむのがお約束になっていた。

牡蠣、伊勢海老、サザエ、ホタテ

最初に焼いたのは牡蠣だった。朝倉は牡蠣に4回当たったことがあると明かす。本人は「1日に20個くらい食べたから、食べすぎたのもある」と言い、さらに「好きだから当たってもいい。恋愛と同じ」と無償の愛を語って、天心を困惑させた。オリーブオイルと塩とレモンで食べた焼き牡蠣を、天心は「こんなに新鮮なのはあまり食べたことがない」と気に入っていた。

炭の火力が片側だけ弱く、2人は最後まで手こずる。天心は火が強い側を「炎上している」と表現し、その流れで朝倉に「天心も炎上してるよね」と返された。このやり取りが、試合の話題に入るきっかけになった。

ほかにも、生きたまま動く大きな伊勢海老、サザエ、バター醤油で焼いたホタテ、炊き込みご飯や半熟卵入りの焼きおにぎりと、食材は豪華だった。朝倉は伊勢海老を殻ごとかじっていた。一方の天心は、体質改善のために米をあまり食べないという。肉や魚、脂を中心に、昔の人類が食べていたようなものを取り入れているそうで、「人体実験をしている」と笑っていた。

朝倉による「2度目の敗戦」の分析

朝倉は最初こそとぼけていたが、途中で「そういえば負けたよね。同じ相手に2度も」と切り出し、ここから真剣な分析が始まった。

キックボクサー時代のスピードを取り戻すべき

朝倉が特に評価したのは7ラウンド目の動きだ。あのスピード感はキックボクサー時代の天心そのものだったという。ボクシングに転向して12ラウンドを戦うためにタイミングのずらし方を覚えた結果、本来のスピードが落ちているように見える、というのが朝倉の見立てだった。

天心もこれを認めている。ベースのスピードを意図的に落としていること、12ラウンドを戦う体力はもう十分にあることを話した。そのうえで今の自分を「短距離選手が長距離に移行しきった段階」にたとえ、ここから短距離のように一気に走れる場面を増やしていく段階だと語った。

クリンチ後の攻防

朝倉がもう一つ大きなポイントに挙げたのが、クリンチの処理だ。相手はクリンチしたまま右を打てる形を作っていたが、天心は左を打てない状態で組んでいた、と朝倉は指摘する。天心は、ボクシングでは組んだら引き剥がしてブレイクになるので、キックとは勝手が違うと説明した。朝倉は1戦目からの課題が変わっていないと感じたそうで、「3回目をやったら勝てると思う」とも話していた。

天心は判定について「よくわからない部分もあるが、文句は言わない」とし、だからこそ自分の拳で決着をつけられるようにならなければと語った。試合後は1週間ほど体が痛んで動けず、風呂でふらついたこともあったのに、病院には行っていないという。朝倉は「パンチをかなりもらっていたから検査に行ったほうがいい」と強く勧めた。そのあとで「俺は行かないけどね」と付け加えるのが朝倉らしい。

「負けを認めない悔しさ」が好きだ

この回でいちばん印象に残るのは、敗戦後の天心の態度についての朝倉の言葉だ。今の時代は、負けた選手が相手を称えると潔いと称賛される。朝倉はそれを認めたうえで、格闘家はそうでないほうがいいと考えている。負けて悔しくて「俺は負けていない」と思っている人間のほうが好きだし、相手を称えて満足してしまうと負け癖がつく、というのが朝倉の見方だ。

天心もこれに強くうなずいた。何かに一生懸命取り組んだ人なら「こんなんじゃない」という気持ちはわかるはずだと話す。朝倉はさらに、ボクシング界に一人で乗り込んだキックボクシングの天才を、キックや格闘技の関係者がだんだん応援するようになり、今回は会場の声援も天心のほうが多いくらいだったと振り返った。天心は「本当にありがたい」と応じている。

朝倉自身も、先日の青木戦は階級を上げて臨んだ試合で、これまでで一番プレッシャーがあったかもしれないと明かした。格闘技界を背負ってきた者として絶対に負けられない試合だった、と語っている。

誹謗中傷とSNSについて

話題はSNSと誹謗中傷にも広がった。天心は、自分が批判されるのは表に出ている以上かまわないとしつつ、誹謗中傷のせいで新しいことに挑戦する人が減っていると懸念を示した。人前で言えないことなら言うべきではない、という立場だ。

朝倉の考えは少し違う。誹謗中傷のようなものは、もともと人間の頭の中にあると考えている。職場でも家族でも言えないことを口にできる場所がSNSなのだと説明し、ただ嫌いだからと叩き続ける行為は良くないが、意見と中傷は分けて考えるべきだと話した。過去に自分のアンチに直接会う企画をやったこともあり、本音が聞けるのはむしろ嬉しいタイプだという。2人とも、誹謗中傷やいじめはなくならず、自分が強くなるほうが早い、という点では一致していた。

天心は、無視するか真っ向から戦うかの二択ではなく、ユーモアを交えてネタにする方法を企んでいるとも明かした。また、SNSの言葉を気にしない理由を「その人たちは俺の人生を作ってくれない」と話す。これに対して朝倉は、精神的には気にしないが、大衆心理を意識して得になる発言を選ぶことはあると語った。そうしなければYouTuberとして成功できない、というのが朝倉の考えだ。

AI時代に価値を持つもの

天心は、AIが発達すると物理的に残るものの価値が上がるのではないかと考えている。ポケモンカードや古着のように、今は作れないものが重宝されるようになり、人間性がより大事になるという見方だ。朝倉は、多くの職業がなくなる一方で、文明が進みすぎると人は山や自然、昭和や平成のようなものを求めるのではないかと話した。天心は「文明は進化しているが、人間は考える力を失いつつある。わかりやすいものばかりが面白いとされる時代に抗いたい」と語った。

2人の近況

  • 朝倉は2つの番組を準備中だという。最近は山登りにはまっていると話した。
  • 朝倉はブレイキングダウン北海道大会を終え、10月31日にも大会を控えている。右手を2か所骨折しているとも明かし、大晦日の出場は「さすがに見送ろうかと思っているが悩ましい」と語った。
  • 天心は10月31日と11月1日に地元の祭りを予定しており、朝倉を誘った。朝倉は「前回は人が集まりすぎて警察に止められたから」と断っていた。
  • 天心は今後もボクシングを続ける考えを示した。総合格闘技やキックへの転向は今のところ考えておらず、勝ち負け以上に、見る人の心に何かを届けていきたいと話した。

「やめなければ負けではない」

終盤、天心が「朝倉さんも負けたことはあるけれど価値は落ちていない」と言うと、朝倉は「負けたっけ?」ととぼけた。そして「数字の上では負けても、気持ちが折れずに現役を続けているから負けていない」と言い切り、「人生全部そう。やめなければいい」と続けた。

最後には「落ち込んでいるんじゃないかと心配だったけど、元気そうでよかった」と本音ものぞかせた。天心は「気にかけてもらえて嬉しかった」と返している。いじり合いの絶えない2人だが、七輪を囲んだこの時間には先輩から後輩へのエールが込められていた。

参考動画