コメント欄で繰り返される「アホすぎ」という指摘
ネットの闇知識や匿名化のノウハウを発信している星野ロミ氏。チャンネル登録者は11万人に増えましたが、そのぶん同じ質問がコメント欄に何度も届くようになったそうです。中でも本人が「マジで腹が立つ」と言うのが、「匿名化に詳しいくせに、漫画村で捕まってるじゃん」という書き込みです。
以前も同じテーマで話したことがあるものの、新しく登録した人に向けてあらためて説明し直したのが今回の動画です。本人も「ミイラ取りがミイラになった」ように聞こえるのは認めたうえで、順を追って話しています。
漫画村が「社会現象」になった理由
まずは前提として、漫画村がどういうサイトだったかの説明があります。漫画村は、パソコンやスマホで漫画を無料で読めてしまうサイトでした。星野氏によれば、それ以前の漫画サイトはパソコンで細々と見るもので、一部のオタク向けの「ダークな」存在だったといいます。
漫画村が登場したのは、ちょうどスマホが普及し始めた頃でした。「パソコンよりスマホで見られるほうが便利だ」と考え、スマホで読みやすいサイトを狙って作ったところ、予想以上に広まったそうです。ネットの知識がまったくない一般の人まで使うようになり、社会現象になりました。
本人が主張する「違法ではない仕組み」
星野氏は、漫画村を作る前に著作権法を調べ、そのうえでサイトを設計したと話しています。説明をざっくりまとめると、次のような理屈です。
- 手元の漫画を自分のサーバーにアップロードし、誰でも見られる状態にすれば違法になる
- 一方で、無料で漫画を見せること自体は、民事上の責任は別として刑事罰の対象ではない
- だから、すでに他の海賊版サイトに上がっているデータを、漫画村のサーバーに保存せずにユーザーへそのまま中継すれば、法律上問題はない
本人は「今でも漫画を無料で見せるのは合法」と言い切っています。しかし実際には警察から「この方法でも違法だ」とされ、最終的に有罪になりました。星野氏はこれを「言いがかり」だと受け止めているようです。なお、こうした主張は星野氏個人の見解で、裁判所は有罪と判断しています。
起訴状と人質司法への不満
星野氏は、裁判のやり方にも強い不満を語っています。日本では検察官が起訴するときに起訴状を出しますが、その内容と実際の事実が違えば罰することはできない、というのが本人の理解です。たとえ話として、強盗で起訴したのに実際は痴漢だった場合、強盗については無罪になるはずだと説明しています。漫画村の件も、起訴状と実態が食い違っていたのに罰せられた、というのが本人の言い分です。
さらに批判の矛先は人質司法にも向かいます。容疑を否認すると長いあいだ勾留される仕組みのことで、星野氏の場合、裁判が終わるまで1年半勾留され、その間は家族とも連絡が取れなかったそうです。有罪率が99.9%と言われる中で、実際には数%くらいは冤罪があるのではないかと本人は見ています。間違っている側が相手に自白を迫る構造は中世ヨーロッパと変わらない、という強い言葉も出ていました。結局、裁判所は検察や警察の味方で、都合の悪い点には目をつぶられた、と振り返っています。
とはいえ、本人いわく今回の本題は裁判の不当性を訴えることではありません。詳しい経緯は別の動画で扱っているそうです。
本題:なぜ身元を隠さなかったのか
「なぜ特定されたのか」への答えは、とてもシンプルでした。違法なことをしているつもりがなかったから、隠す理由がなかったというものです。
星野氏は、実名でネットを使っている人や、普段のメールアドレスをそのまま使っている人を例に挙げます。そうした人たちが身元を隠さないのは、自分は違法なことを一切していないと思っているからで、漫画村のときの自分もそれと同じだった、という説明です。
もし最初から悪事を働くつもりなら、電話番号もメールアドレスもIPアドレスも隠しただろう、と本人は言います。ただし、「日本の法律がきちんと機能していないと当時わかっていれば、匿名化していたと思う」とも付け加えていました。
「自分だけは大丈夫」と思わないこと
この経験から星野氏が強調するのは、違法なことをしていなくても、誤解されて警察が家に来たり冤罪に巻き込まれたりする人はたくさんいる、という点です。「自分だけは大丈夫」と思うのが人間の心理なので、この話はあまり多くの人には届かないかもしれない。それでも、実際に経験した人なら深く共感してくれるはずだ、と語っています。
話は世界情勢にも広がりました。紛争が絶えない地域があり、大国でさえ国際法を守っているとは言いがたい行動をとっている。世の中の原則は「強い方が勝つ」で、法律がすべてという国はごく一部だ、というのが星野氏の世界観です。だからこそ、次のような備えを勧めています。
- 悪いことをしていなくても、ネット上では匿名化をきちんとする
- パソコンのセキュリティを固めておく
- 警察であっても開けられない状態を、普段から作っておく
「ギリギリ合法」のサービス相談にどう答えるか
星野氏のもとには「こういうサービスをやりたい」という相談がよく来るそうです。中には、法律的にかなり際どいものもあるといいます。社会を乱すと見なされたものは摘発されたり萎縮させられたりするのが日本だ、というのが本人の考えです。そのため、たとえギリギリ合法だと思っても身元はしっかり隠したほうがいい、と答えているそうです。
さらに「身元を出してギリギリ合法で運営するより、身元を隠しておくほうが、結果として人生を無駄にしない可能性が高い」とまで踏み込んだ発言もありました。違法行為を勧めているわけではないと断ったうえで、これは建前ではなく本心だとしています。かなり過激な主張ですが、1年半の勾留と有罪判決を経験した本人の実感がにじむ言葉でもあります。
まとめ
「匿名化に詳しいのに捕まった」という皮肉に対する星野氏の答えは、「違法だと思っていなかったので、そもそも隠そうとしなかった」というものでした。その裏には、自分の判断と司法の判断が食い違ったことへの強い不信感があります。漫画村が合法だったという主張に納得するかどうかは人によって分かれるでしょう。それでも、「自分は大丈夫」という思い込みがリスクになるという指摘は、ネットを使う誰にとっても考える材料になりそうです。
参考動画
- 星野ロミが情弱すぎて捕まったのアホすぎ(【漫画村】星野ロミの裏知識チャンネル)